お葬式が終わった後は
還骨法要と初七日法要
還骨法要とは火葬後に自宅の後飾り壇に遺骨を安置して行う法要のことです。現在は斎場、料理店などで葬儀後の会食に先立って営まれることが多いようです。
出棺の後、祭壇や葬祭用具はすべて片付けられ、遺骨を安置する後飾り檀が設けられます。この祭壇は四十九日の忌明まで家に飾ります。後飾り檀に遺骨を安置して「還骨法要」の読経や焼香が行われます。
本来、仏教の初七日の法要は。死んだ日も入れて7日目に行いました。しかし、いまでは遠方から来る人を考慮して還骨法要に引き続き「初七日法要」を営むことが多いようです。
一般に初七日法要の後、葬儀を手伝ってくれた世話役たちや、僧侶、近親者を招いて飲食でもてなす会が行われます。この会食は「精進落とし」と言って、本来の意味は、四十九日の忌明に行われるのですが、いまは葬儀当日、初七日法要の後の会食を意味することが多くなりました。
現代では、宗教的な意味よりも、お世話になった人たちへのねぎらいの意味が強いので、準備や片付けのいらない会場で行われることが多いようです。
会食をせず、品物を持ち帰ってもらうこともあります。僧侶が出席できないときは「お膳料」と「お車代」を別に包みます。
寺院へのお礼
葬儀の翌日、遺族はお世話になった寺院に出向いてあいさつをし、お礼を手渡します。
葬儀の終わった時点で、ひと言「明日ごあいさつにお伺いします」と告げておくといいでしょう。
服装は平服で構いません。
翌日の都合がつかないときは、葬儀の当日にお礼を渡しますが、別室で「本来は直接伺ってお礼を申し上げるべきところですが・・・」といってあいさつをして渡すようにします。
お金は白い封筒に入れ、できればふくさに包んで持参し、ふくさを開いて、相手から見て表書きが正面になるように手渡します。
仏式では、戒名をいただいたことと、通夜、葬儀、火葬の導師を務めていただいたお礼を一括し、表書きは「御布施」とします。
金額の目安
最近では宗教側で、金額をしっかり提示する場合もありますが、本来お礼は感謝の気持ちを表すものですから、金額の決まりはありません。
検討がつかないときは、葬祭業者に相談すると地域の慣習になっている金額を教えてくれます。
寺院への謝礼は、相続財産から控除されるので、必ず領収書をもらうようにします。
金額を入れた領収書を用意しサインをもらいます。
なお、直接渡せなかった人の分は「預かり金」として、仮領収書を手渡した人からもらっておきます。
お世話になった人へのお礼
お礼のあいさつにまわる範囲は、葬祭でお世話になった人、故人の恩人、会社関係、ご近所、町内会などです、初七日までにまわりますが、悲嘆が強い場合には無理をせず、電話や手紙でのお礼に代えてもかまいません。
ご近所のお世話になった人たちへのあいさつは、葬儀が無事に終わったお礼と、人の出入りが多く、迷惑をかけたおわびをします。
菓子折りなどを持参すると気持ちも伝わりやすいでしょう。
故人の上司や、葬儀の際に世話役を引き受けてくれた人たちには、遺族が出向いてあいさつをします。
勤務先への訪問は、私物の整理や各種の手続きをすませるという目的もあります。
必ず事前に連絡して上司の都合を訪ねます。また手続きに必要なものを総務課に聞き合わせ、先方の忙しい時間帯 をはずして伺います。
受付事務の整理
受付を手伝っていただいた方と、通夜、葬儀の細かい引き継ぎをし、連絡事項があれば聞きます。
受付の会計係が現金と香典帳をつきあわせたものを渡してくれますので、香典帳の合計金額と現金を照合します。
ときに香典袋の記載金額と合わないこともありますが、これは弔問客の入れ間違いや入れ忘れによるものがほとんどです。
会計係りの責任にするのではなく、不足のままで受け取ります。
役所などへの手続き
住民票、戸籍の変更
故人が世帯主だった場合は、新しく世帯主となる人を決めて、世帯主変更届を出します。
世帯主が死亡した日から14日以内に住んでいた市町村役所で行います。
クレジットカード
故人名義のクレジットカードは、カード会社に電話で解約を伝え「解約届」とともに返送します。
運転免許証、パスポート
故人の免許証、パスポートについては、規定はないので、遺族が形見として保管しておいても違反になりません。
身分証明書
学校や会社などの身分証明書は、その発行者に返却します。
賃貸住宅、借地権、借家権
権利はそのまま相続人に受け継がれます。
名義の変更だけで契約のし直しは不要です。
電気、ガス、水道
公共料金の支払い名義人が故人だった場合には、それぞれの営業所に電話をして名義変更をします。
口座自動引き落とし
口座振替の解約と、新規申し込みが必要です。
生命保険
故人が生命保険に加入していたら死亡保険金の支払い請求手続きをします。
死後1ヶ月以内を目安に請求します。
契約者と非保険者が同じで、受取人が配偶者や子どもの場合はすぐに請求できます。
必要書類は保険会社に問合せましょう。
受理されるとお金は5~10日で指定の口座に振り込まれます。
故人が自分を受取人に指定していたり、だれも指定していない場合は相続財産となり、相続が決定してからでないと請求できません。
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