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お葬式が終わった後は【2】

健康保険の手続き

国民健康保険の場合

加入者が死亡したときは、死亡した日から14日以内に脱退の届けでをします。また、葬儀を行った人は「葬祭費」の給付を受けられます。給付額は市町村によって違い3万円~7万円くらいです。
葬儀を行った日の翌日から2年以内など申請制限があります。

協会けんぽの場合

加入者や家族が死亡したときは「埋葬料」(5万円)の給付があります。
手続きは協会けんぽのホームページから申請書をダウンロードし、必要書類を添付して各都道府県支部に郵送します。
申請期限は死亡日の翌日から2年以内です。

健康保険組合

加入者が死亡したときは「埋葬料」、家族が死亡したときは「家族埋葬料」(5万円)の給付があります。
手続きは所属の健康保険組合でします。

年金の手続き

故人が国民年金(老齢基礎年金)や老齢厚生年金を受給していた場合は、10日以内(国民年金は14日以内)に「死亡届」を年金事務所または年金相談センターに提出し、受給を停止する手続きをします。
手続きをしないでいると、そのまま故人が生きているものとして年金が支払われます。
遺族がそれを受け取っていると、間違いが判明した時点で、受け取った額を一括してすべて返還しなければなりません。
手続きはできるだけ早く行うようにしましょう。

遺産相続の手続き

配偶者は常に相続人になれます。配偶者以外で相続人になれるのは次のとおりです。
第1位順位・・・故人の子
実子、養子の区別なく、認知されていれば非嫡出子でも、妊娠中の胎児にも相続資格があります。
子が死亡していれば孫が相続します。
第2位順位・・・子どもがいないときは親が相続人になり、親が死亡なら祖父母
第3位順位・・・子どもも親も祖父母もいないときは、故人のきょうだい、きょうだいも死亡なら、甥や姪が相続人になります。

香典返しを贈る

香典返しは、いただいた香典へのお礼として品物を贈るものです。香典の本来の意味は互助扶助にあり、葬儀の費用を互いに補い合うためのものです。
ですから、必ずしもお返しをしなければならないというものではありません。
いただいた金額の半額くらいの品物をお返しします。
香典返しの品物は、見るたびに故人を思い出すのはせつないということから、後に残らない、日常の消耗品が一般的でした。
しかし近年では、「より喜んでもらえる品物を」という考えから、デパートの葬祭コーナーではセンスのよい品がいろいろ用意されています。
香典返しを贈る時期としては、仏式では、35日か45日を過ぎた頃に、忌明のあいさつ文と一緒に贈るのが一般的です。
なお、最近では「即日返し」といって通夜や葬儀の日に香典返しを渡してしまうことも多くなりました。
ただし、即日返しの場合も、3万円以上いただいた方には、忌明に改めて金額に見合った別の品を贈ることがあります。

法事を行う

仏教では死後7日ごとに法事を営み、死者を供養します。
これを中陰の七仏事といい最終回が七七日にあたる49日で、これをもって忌明となります。
中陰の七仏事の後は、百か日、一周忌、三回忌、七回忌、一三回忌、一七回忌・・・三三回忌と続きます。
中ではとくに三回忌が重要です。
一周忌のみが満1年後で、三回忌以降は死亡した年を含めた数え方となり、三回忌は二周年に相当します。地域によって法事の行われ方には違いがあります。
初七日・・・死亡した日を含めて7日目ですが、最近は、葬儀の当日、還骨法要にあわせ行うことが多くなりました。
四十九日・・・忌明となり、関係者が集まる日となることから、この日にあわせて納骨することもあります。

一周忌は盛大に行うことが多いのですが、三回忌を過ぎた後は、遺族と親戚のみの内輪で営まれることが多いようです。
宗派によっても違いますが、三十三回忌、または五十回忌で死者を追悼する法事は終わり、弔い上げとなります。

法事の準備

出席しやすいように休日に行うことが多く、日をずらすときは、当日より前にずらすのが一般的です。寺院と連絡をとり、日時が確定したら、参列者には少なくとも1ヶ月前には招待状を送ります。
人数が決まったら、料理の注文や引き物(返礼品)の準備をします。引き物の表書きは「志」とします。
法事の場所は、自宅での法事は少なくなり、ホテルやレストランを利用するなどが多くなっています。
また、法事と会食の両方ができる斎場を利用する人も多くなっています。
法事の会場には、位牌と写真を持参します。卒塔婆(供養塔や墓標)は前もって寺院に依頼します。
僧侶への「御布施」も忘れずに。金額の目安は3万~5万円です。

法事の進め方

法事の進め方は次のとおりです。
・一同着席
・僧侶の読経
・遺族、親戚の焼香
・参列者の焼香
・僧侶の法話
・お墓まいり
・会食
会食の始まる前と終わりには喪主があいさつします。会食では、遺族側は招待する立場なので末席に座ります。

仏壇と家庭祭壇

仏壇は仏教信仰の対象として、本尊を安置するものですが、同時に故人の位牌を祀り、日常的には線香を上げたり、食事を供えたりして故人の供養をする場となっています。
選び方、祀り方も宗派によって違うので、新しく購入するなら檀那寺の住職に相談するとよいでしょう。
四十九日の忌明の法事までには、本尊。位牌、仏具もともに購入します。
仏壇の置き場所は、方位がいろいろいわれることもありますが、根拠のないことです。
むしろ直射日光、湿気を避け、安定性、拝みやすい高さなどを考慮します。
最近は小型で洋風インテリアにも合う現代的な仏壇や簡易的なものなどいろいろあります。
家の広さや、置く場所、経済事情などを考えて選ぶとよいでしょう。

忌中と喪中

人が死亡して49日間の間は死の穢(けがれ)が強い時期とされ、遺族は謹慎して家にこもります。
これが忌中(きちゅう)です。
同時にこの期間は、遺族にとっては、愛する家族を失い、精神的に打撃を受けている期間です。
つまり忌中というのは、遺族が日常生活から離れて死者の弔いに専念することを保障し、しだいに精神的な傷をいやして、日常生活に復帰するプロセスでもあります。
「喪中」というのは、遺族が喪に服する期間のことです。普通は1周忌が過ぎるまでの死後1年間をいいます。

しかし実際に、死者への想いが胸の中に息づいている期間は、人によって大きく違います。
配偶者や子どもを失った場合は、その想いは、1年や2年どころか、何年たっても消えないこともあります。
喪の期間は人により、また亡くなった相手によって大きな差があるといえましょう。
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